部屋に入って感じたこと、そして決めるかどうか(後編)

部屋に入って感じたこと、そして決めるかどうか(後編)


前編では、内見に行くことになった経緯と、マンションのエントランスまでのお話を書きました。今回はその続き、いよいよ部屋の中に入ってからの話です。

何もない部屋が思い出させてくれたこと

部屋に入って、真っ先に感じたことがあります。「何もない」ということが、これほど美しいのかと。

余計なものがない「何もない部屋」というのはこんなだったのかと、久しぶりに独身の頃を思い出しました。いえ、正確に言うと、独身の頃も荷物でけっこう溢れていました。結局そうなんです。荷物はだんだん増えるものです。

ただ、ここ最近の生活を振り返ると、明らかにモノが増えた形跡がありません。ということは、物を減らすことは可能なはずです。それでも、今のままの荷物をこの部屋へ持ってくるのを想像すると、正直ぞっとしました。

独身の頃は、しょっちゅう引っ越しをしていたものです。体力があったのでしょう。50代の今はどうか。ちょっと自信がありません。まず、引っ越しの荷物を運ぶのがしんどい。これは断言できます。

そんなことを考えながら部屋の隅々まで見渡すうちに、だんだんと、ここでの暮らしが頭の中にイメージできてきました。

水回りは「全体が新しい」に勝るものなし

特に良かったのが、水回りが新しいことです。

今住んでいる部屋でも、ここ数年で洗面台などをリフォームしました。それでもはっきり言えるのは、全体が新しいのと部分的に新しいのとでは、印象がまるで違うということです。部分的なリフォームでは、どうしても継ぎ接ぎの感じが残ります。

もちろん、中の水道管や配管の状態といった見えない部分もありますから、一概には言えません。それでも、50代からの住み替えを考えるなら、水回りの状態は最優先で見るべきポイントです。ここが古いと、入居後のリフォーム費用が確実に重くのしかかってきます。

窓を開けた瞬間にわかった

窓を開けて外を見渡すと、視界が抜けていて気持ちがいい。前に建物がないのは何よりです。日当たりも良さそうでした。

今住んでいるマンションも割と目の前が開けているのですが、ここも同じくらい遮るものがありません。

これならちょっとした仕事スペースを確保して、朝の気持ちのいい時間帯に仕事がはかどる。フリーランスにとって、家は職場でもあります。だからこそ、間取りや広さの数字だけでなく、「ここで一日どう過ごすか」が想像できるかどうかが決め手になります。この部屋では、なんとなく一日の流れが想像できました。これは大きい。

意外だったのは、ネットで見る写真より実物のほうが良かったことです。普通は逆を想定します。写真は良く撮れていて、実物はそれなり、というのがよくあるパターンです。今回はいい意味で裏切られました。だからこそ、写真だけで判断せず、足を運ぶ価値があるのです。

今の住まいと明らかに違ったもの

今住んでいるマンションと明らかに違うと感じたのは、管理体制です。

今回見た物件は戸数の多い大型マンションですが、エントランスに入った瞬間の印象から、管理がしっかりしていることが伝わってきました。最近設置したと思われる宅配ボックスや郵便受けの周りもきちんと整理されていて、好印象です。

今住んでいるマンションも、もちろん管理はされています。ただ、質が違う。もう少し細かいところ、こちらが手を入れてほしいところに手が届いてほしい。そう感じる場面が増えてきたことが、実は引っ越しを考え始めた理由のひとつでもあります。

管理会社から依頼されている掃除やゴミ処理の業者は、物件によってかなりまちまちだと見受けられます。

マンションは部屋だけを買うのではなく、管理を買う。昔からよく言われることですが、実際に2つのマンションを見比べて、この言葉の意味が腹に落ちました。

一件目にして、心が動いた

一通り見て帰る頃、雨が降ってきました。急いで駅まで向かいましたが、さほど遠くもなく、これなら日々の移動も苦にならずに済みます。

決めるかどうかは別にして、一件目にして早くも心が動いたのは言うまでもありません。

とはいえ、あれから数日が経ち、物件情報を眺めていて思うのは、ここからまた探していくのかと考えると気が遠くなるということです。わかったことは2つ。売りたい物件は山ほど出ている。そして、高い。

この「山ほどあって、高い」市場の中でどう考えていくか。次回以降、候補物件の比較や、売る側としての数字の話も書いていくつもりです。