Cloudflare PagesでWordPressから乗り換えた話
正直に言うと、このブログをCloudflare Pagesで再構築するまでの道のりは、思っていたよりずっと遠回りだった。 でも、その遠回りのおかげで気づいたことがある。プログラミングのスキルなんてなくても、 AIと対話しながら手を動かしていれば、なんとかなるということだ。少なくとも、自分はそうだった。
きっかけは「もったいない」という感覚
久しぶりにブログを更新しようと思い立ち、まず引っかかったのがサーバー費用だった。 何か月かに一度やってくるレンタルサーバーの請求。収益もまだ何もないサイトに、 毎年それなりの金額を払い続けることへの、漠然としたもったいなさ。
ドメイン料は払うとして、レンタルサーバーの年間費用というのは馬鹿にならない。 それに加えて、WordPressの管理画面というのがどうも自分には性に合わなかった。 プラグインの更新通知、セキュリティの警告、ダッシュボードのごちゃごちゃ感。 書くことに集中したいのに、管理することに時間を取られている感覚があった。
Cloudflare Pagesのことを最初に知ったのは、Substackの記事からだった。 「なんとなくいいな」と思ったくらいで、「Astroって何?」という状態だったので、 そのときは特にピンとこなかった。ただ、頭の片隅には残っていた。
一週間のスケジュールを立てて、動き出す
決断してからは早かった。まず一週間の移行スケジュールを紙に書き出した。
Cloudflareのアカウント取得、DNSの設定変更、既存のブログ記事のバックアップ。 幸い記事の本数がまだ少なかったので、バックアップはあっという間に終わった。 アカウント取得もスムーズで、初日は拍子抜けするくらい順調に進んだ。
その後、開発環境を整えて、以前アカウントがあったGitHubにもログインして、 必要なものをインストールしながら少しずつ形にしていく。 この辺りの作業はGeminiが丁寧に教えてくれて、2、3日で終わった。
Cloudflare Pagesがサイトの公開先、Astroがウェブフレームワーク。 ざっくり言えばそういう関係で、何より「とにかく速くて軽い」というのが一番の魅力だと思う。 ページの読み込みが早く、管理もWordPressより余程シンプルだ。
黒い画面と向き合う日々
ところが、移行の後半あたりから、だんだんとスムーズにはいかなくなってきた。
よくある黒い画面、ターミナル。そこにコードを打ちながら、GeminiやClaudeと対話する日々が始まる。 つまずいたらClaudeに聞き直し、ターミナルの画面をスクリーンショットで撮って、 「これはどういう意味ですか」「なぜエラーが出るのですか」と聞きながら、一歩ずつ進んでいく。
コードの意味を完全に理解しているかと問われれば、正直、怪しい部分もある。 一から書いてみろと言われたら困るだろう。それは今も変わらない。
でも、やっているうちに不思議なことが起きた。だんだん楽しくなってきたのだ。 ターミナルと向き合いながら、AIと問答を繰り返しているうちに、 「自分はプログラマーなのではないか」という、根拠のない錯覚が生まれてくる。
メイクの仕事を長くやっていて気づいたことがある。 ハイライトをほんの少し足すだけで、顔全体の印象が変わる瞬間がある。 写真も同じで、光の当て方を一歩分ずらすだけで、まったく別の表情が生まれる。 サイト構築もそれに近い感覚があった。一行のコードを直すだけで、 画面がぱっと変わる。その瞬間の手応えが、妙に心地よかった。
遠回りしてよかった、と今は思う
プログラミングの経験がなくても、AIを使えばある程度のことはできる時代になった。 これは本当のことだと思う。ただし、「ある程度」の範囲を広げるには、 自分で手を動かして、失敗して、また聞いて、という繰り返しが必要だった。
最初から完璧に理解しようとしなくていい。わからないまま進んでみると、 後から「あ、そういうことか」と腑に落ちる瞬間がやってくる。
50代でフリーランスをやっていると、新しいことに踏み出すときに「今さら」という気持ちが 頭をよぎることがある。自分もそうだった。でも今回の経験で、もう少しだけその気持ちが薄れた気がする。
遠回りは、無駄じゃない。少なくとも、自分にとってはそうだった。 まだ完成とは言えないこのサイトを眺めながら、今はそう思っている。